テルミちゃんの知って得する知恵袋「強引な訪問購入にご注意ください!」
使わなくなった食器、もう何年も袖を通していない洋服や和服。処分したいと思っても、まだまだ使えそうでもったいない、と処分を先延ばしにしているものが家庭の中にたくさんあるのではないでしょうか。そんな時に、「不用品があれば何でも買い取ります。買い取った商品はウクライナ支援に活用させていただきます。」などと電話があったら、これは渡りに船だと思い、業者に来てもらうことにしたとしても不思議ではありません。
県南に住む80代の女性は、着なくなった和服を買い取るという業者に家に来てもらうことにしました。電話では、女性が訪問すると言っていたのに、やって来たのは男性でした。しかも、家に入るなり「指輪や記念硬貨はないか」と聞いてきました。男性の態度に押されて仕方なく指輪と記念硬貨を見せると、書類に名前を書くように言われました。名前を書くと、何も言わずに1万円を置いて和服と指輪、記念硬貨を持って帰って行きました。指輪を売るつもりはないので、何とか取り返そうと業者に電話をしましたが、呼出し音が鳴るだけで誰も出ませんでした。
業者が消費者宅に訪問し商品を買い取る形態は、「訪問購入」として特定商取引法の7つの取引類型のうちの一つとして厳しい規制が設けられています。消費者宅を突然訪問して勧誘したり、事前に買い取りの承諾を得ていない物品を売るように突然要求することは禁止されています。売るつもりがないものは、業者に見せず、きっぱり断りましょう。訪問購入では、契約書面を渡された日から8日以内であればクーリング・オフが可能です。売るつもりはなかったという場合は、すみやかにクーリング・オフを通知しましょう。
この事例の場合、「不用品の買い取り」は名ばかりで、業者の真の目的は「貴金属を買い取る」ことだと考えられます。電話の声がどんなに親しみやすく好印象だったとしても、その人が訪問してくるとは限りません。見知らぬ業者を安易に家に招き入れないようにしましょう。やむを得ず、業者に来てもらう場合は、一人で対応せず家族や知人に同席してもらいましょう。少しでも不安があれば、早めに消費者ホットライン188にご相談ください。