テルミちゃんの知って得する知恵袋「葬儀に関するトラブル」
人はいつか必ずお別れの時がやってきます。親族は、悲しみにくれる間もなく別れの儀式の手配に追われるのが現実です。葬儀は、結婚式のように予め日程が決まっていて十分な準備を経て執り行うものではなく、突然始まり短時間のうちにあらゆることを決定しなければなりません。失意の中で不慣れな儀式の契約をして、トラブルに発展するケースも決して少なくはありません。
病気療養中の義父が余命宣告を受けたため、万が一に備えようと葬儀社の見学をしました。その際、互助会に入会すると葬儀費用は40万円の値引きが適用され、百万円程度の支払いで済むと説明があったため、互助会に入会することにしました。数ヶ月後、義父が亡くなり、夫が葬儀社に連絡し、当日の深夜にもうろうとした意識の中で葬儀の打合せをしました。しかし、家族葬や一日葬などの葬儀のスタイルに関する説明や選択の余地はないままどんどん話が進み、最終見積額として190万円が提示されました。百万円程度で済むという当初の説明と違うと抗議すると、「喪主にはサインをもらっているから、変更はできません」と聞き入れてはくれませんでした。
せっかく、葬儀に備えて事前に業者選びをしたはずが、最終的に消費者の意図しない契約になりました。消費者は慣れない葬儀の契約内容をよく理解できず、一方の事業者側は、「慣れ」からか説明を尽くしたつもりになってしまい説明が不足していた可能性もあります。葬儀社との打合せの際は、説明の聞き漏らしや確認のし忘れを防ぐためにも、冷静に判断できる第三者に同席してもらいましょう。
葬儀費用は、参列者の人数によって増減する「変動費」と言われる項目(人件費、料理、香典返し)が大きな割合を占めています。参列者数を少なく見積もると、見積額と実際の請求額が大きく異なってしまう場合もあります。安価な価格設定になっている場合は、その料金に含まれる項目と含まれない項目の料金体系はどうなっているのかしっかり確認する必要があります。現代では葬儀の話は決してタブーではありませんので、日頃から家族で話し合いをしたり、信頼できる葬儀社の情報収集をするなどしていざという時に備えておきましょう。
少しでも不安があれば、早めに消費者ホットライン188にご相談ください。