テルミちゃんの知って得する知恵袋「海産物の強引な電話勧誘にご用心!」
福島第一原子力発電所のALPS処理水の放出に対して強い懸念を示していた中国が、日本からの海産物の輸入を一方的に停止したことは、日本の水産業へ大きな打撃となり、今でもその余波が続いているのは事実です。それに便乗して同情を誘い、不当な利益を得ようとする者がいます。
ある日、見知らぬ業者からスマートフォンに電話があり、海産物セットの購入を勧められました。「福島第一原子力発電所の処理水の放出問題のせいで、ホタテや海産物が余ってたいへんだ」と話していました。最初は1万5千円と言っていましたが、購入を渋っているうち1万2千円に値引きされましたが断りました。しかし、断っても断っても執拗に勧誘を続けるため、業者の窮状を救うことになるのであれば協力をしようと思い直し、購入することにしました。しかし、電話を切ったのちによく考えると信用できる業者なのかも疑わしいし、そもそも欲しくて申し込んだわけではないので、やはり断ろうと業者にキャンセルの電話をしましたが、呼出し音が鳴るだけで電話に出ません。
以前から海産物の強引な電話勧誘に関するトラブルの相談は高齢者を中心に多数寄せられています。このような勧誘をする業者は、その時々の情勢に巧みに便乗し、慈愛の心を持つ人々の優しさにつけ込んで価格に見合わない貧相な海産物を詰め合わせて送っています。中には、はっきりと「買いません」と宣言した人宛てに勝手に代引き配達で送りつけることもあります。
電話で勧誘されて商品を購入する場合は、契約書を受取った日を含めて8日間はクーリング・オフが可能です。業者は、電話で勧誘をする前に、社名を名乗り海産物の販売をする目的の電話であることを告げなければなりません。また、買うつもりはないとはっきり告げている人に、同じ商品の勧誘を続けることも法律に抵触する行為です。一方的に送りつけられた商品を返品する必要もありません。強引な勧誘電話は、きっぱりと断ったうえで、すぐに切りましょう。相手のペースに巻き込まれてしまう前に毅然と対処することが大切です。電話を切ることは相手に対して失礼ではありません。
少しでも不安があれば、早めに消費者ホットライン188にご相談ください。