【相談】保険金で住宅修理ができると勧誘する事業者に注意
【事例】
「火災保険を使って家の修理をしないか」という電話があり、自己負担無しで家の修理ができるのであればと思い承諾した。翌日業者が来訪し、雨どいの写真を撮り、火災保険の申請サポートと雨どいの修繕工事の契約をした。しかし、契約書をよく見ると「万が一、保険金が支払われたにも関わらず、弊社の指定工務店にて工事されない又は保険金のお支払いをしてたいただけない場合が生じたときには、誠に不本意ながら、現地調査費用と申請書作成費用として、受取保険金の50%をお支払いいただきます」と記載があった。保険金の範囲内で工事をしてくれるなら問題はないと思うが、家族が心配してネットで調べたら、火災保険の申請代行をするという業者に関するトラブルが多いことを知り、クーリング・オフをすることを勧められた。クーリング・オフの方法を教えて欲しい。
( 契約当事者:60代 男性 )
<センターの対応>
相談者は既にクーリング・オフのハガキを準備しており、内容に問題はなかったため、そのまま書留で発送しました。念のため相談を受け付けた消費生活センターから業者に連絡し、クーリング・オフする旨伝えたところ、了承されました。
<アドバイス>
火災保険を使って住宅の修理をしないかと持ちかける業者に関する相談が令和3年度以降県内でも寄せられるようになりました。しかし、令和5年度に入って相談が急増し、7月までで、前年同期比の13倍を超える相談となっています。
これまでは。保険金の請求を代行するとうたったインターネット広告を見て、自ら申込みをする事例が多く見受けられましたが、最近では電話勧誘販売もしくは訪問販売が圧倒的に多くなっており、契約当事者の年代もほとんどが60代以上となっています。
この手口の最大の問題点は、風雪水災等の突発的な出来事により生じた損傷ではない、経年劣化による損傷を災害と偽って保険金請求をするよう促す点です。このような虚偽の申請は「詐欺」に該当する可能性があります。
また、次の問題は、業者に支払う高額な報酬です。支払われた保険金の35~40%を報酬として請求します。保険会社が支払う保険金はあくまで修理費用分ですから、報酬を差し引いた保険金額では修理をすることはできません。そもそも、保険金の請求は契約者自身が保険会社に請求すべきものですし、サポートが必要であれば、担当の保険代理店にお願いすればお金がかかることはありませんので、高額な報酬の支払いは必要ありません。
風雪水災等で住宅の損傷がわかったら、加入している保険会社に自ら問合せをし、「火災保険を使って住宅を修理しないか」と勧誘する業者とは関わらないようにしましょう。
少しでもおかしいと思ったら、お早めに消費者ホットライン☎188(いやや)に相談をお願いします。