【相談】「保険が使える」にご用心!
【事例】
高齢の母宅に、知人が見知らぬ業者を連れてやって来た。その業者は火災保険を使って雨どいの修理をしないかと持ちかけてきた。自然災害で壊れたことにして保険会社に請求すれば保険金がもらえると言う。知人の勧めでもあるし悪い話ではないと思い、保険金の請求手続きをサポートするという契約をすることにした。その業者が見積もった修理費用は約220万円となっている。契約書面を見ると、その業者への報酬として保険金額の40%を支払うことになっているが、母はそのような説明は受けていない。さらに、保険金の請求手続きのために、契約者自ら電話をしてこの通り伝えるようにとシナリオのような紙を渡されていた。母は、それに従って保険会社に電話をしたが、保険会社が不審に思ったようで、後日訪問し詐欺の可能性があるので警察に連絡するよう助言された。警察に連絡したところ、クーリング・オフについて説明を受け、詳しくは消費生活センターに相談するよう案内された。クーリング・オフについて教えて欲しい。
( 契約当事者:70代 女性 )
<センターの対応>
消費生活センターに相談があったのは、契約書を渡された日から9日目で、クーリング・オフ期間を過ぎていました。とはいえ、そもそも違法性が疑われる契約だったことから、相談者了承のもと、消費生活センターから業者に電話をし、クーリング・オフする旨を伝えたところ、センターからの電話でクーリング・オフに応じることになりました。
<アドバイス>
火災保険を使って住宅の痛んだ部分の修理を持ちかける保険申請代行に関する相談が増加しています。この手口については、かねてより損害保険協会や損害保険各社が注意・喚起をしており、昨年度までに県内での相談はありませんでした。ところが、令和3年4月以降県内でも相談が寄せられるようになりました。
保険金の請求を代行するとうたったインターネットの広告を見て、自ら申込みをする事例のほか、知人の紹介という事例も見受けられます。
火災保険は、突発的で予知されない出来事による損害のみが保険金支払いの対象となり、経年劣化による損害は支払いの対象外です。本当は経年劣化による損害であるにも関わらず自然災害による損害だと嘘の理由で保険金を請求すると「詐欺」に該当する可能性があります。また、保険金は保険会社や保険代理店を通して請求すればお金はかかりませんので、高い手数料を支払ってまで業者に依頼する必要はありません。
申込み後に不安を覚えて解約を申し出たところ、保険金額の40%の違約金を請求されたという事例もあります。
少しでも怪しいな、困ったなと思ったら、消費者ホットライン☎188に相談してください。